「リベラルアーツの学び方」瀬木比呂志著 ディスカヴァー・トゥエンティワン ― 2018/03/17 05:49
★☆☆☆☆
リベラルアーツすなわち一般教養を身につけることが今の日本人には重要であると説きつつ、自らの体験的な各分野の書物、芸術、漫画からロックまでを披露し、それぞれに論評をしている本。
主に若い人に向けた本とも思えるが、残念ながら著者が意図していることとは逆に、著者の狭い視野にとらわれた世界しか見えてこない。
ただ、ところどころに光る記述もある。
〜プレスリーのブルースエードシューズの歌詞には、既成の世界を支配する人々に対してのメッセージが込められている。
〜日本社会は、長老世代の方がまだ視野が広く時代が下がるにつれてスケールが小さくなり全体として進歩があまり見られない、精緻化しているかもしれないが国際標準を外れた日本独自のガラパゴス化的進化という負の側面もある。
などなど
そして、本書の主題は
「書物や芸術を通して対象をじっくり見据え、体系的、構造的、客観的な分析と推論、判断を行う方法を学び、身につけることが必要なのです。」
という言葉に凝縮される。
この点には全く同感である。
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