「アメリカ選択肢なき選択」安井明彦著 日経プレミア ― 2011/09/28 20:44
アメリカの現状を「選択肢」という切り口から、現地の生の情報を伝えるレポート。
熱狂的な支持を得て選出されたオバマが、ティーパーティー運動に見られるように、アメリカ国民がいかに「選択肢」を狭められたと感じて、支持を失っていったのかの過程がよく見えてくる。
ここでのティーパーティーとオバマの選出過程の類似性の分析はなかなか興味深い。
そして、民衆のオバマへの支持の変節は、金融危機後の金融機関への支援策とその後の巨額のボーナス支出がきっかけであり、その背景には超富裕層と中間層の格差の拡大があるという。
医療改革への不満の背景も選択の自由があるというし、教育改革や財政改革にも危機感が見られる。
意外なのは、グローバリゼーションへの反発が根強いことであり、また米国は企業への課税も35%と世界でも高い部類に属することである。
これからの成長戦略としてグリーン関連に予算をつけたもののほころびも見られるようであり、ここでも求心力の低下は否めない。
しかし、最終章に見られるように、楽観性と社会への参加意欲の高いミレニアム世代の台頭と既存の枠組を超えた政府への国民参加の動きは、アメリカの懐の深さを感じさせる。
現地在住の著者であるからこそ言える生のアメリカが感じられる。
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