「福岡伸一、西田哲学を読む」池田善明、福岡伸一著 明石書店 ― 2018/03/26 06:12
★★☆☆☆
難解な西田哲学を福岡伸一の動的平衡という切り口を使って、読み解いていく手法で解説した本。
合わせて現代の生命科学の考え方も良く理解できる。
西田哲学の理解者である池田氏と福岡伸一との対談とメールのやり取りを通じて、難解な理論が腑に落ちたようにすっと入ってくる。すなわち西田のいう逆限定とは、福岡のいう動的平衡とほぼ同義語であると。
そして、福岡の先輩にあたる生物学者今西錦司の言葉が心に残る。
「向こうに山が見える。その山を登ったら、また向こうに高い山があった。だから次々と山に登ります。」
これは学ぶということをたくまらざる表現で言い当てた名言であると福岡はいう。
あらためて、福岡伸一の生命への見方が、そして学問への姿勢が理解できた。
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