「東京駅はこうして誕生した」林章著 ウェッジ ― 2012/06/30 22:44
今、東京駅の復元工事が進み、もうすぐかつての荘厳な姿が我々の前に帰ってくる。
本書は、我が国鉄道の発祥からはじまり、日本が範としたイギリスやオランダのターミナル駅とは異なるパス・スルー構造としたことに、その後の東京の発展の原型を示している。
本書には、たくさんのあまり知られていない事実が詰め込まれている。
中でもはやくも今の山手線のとおりの線路を描いていたドイツ人バルツァーの構想した東京駅が美しい。
あの赤レンガではなく、このような日本建築ができていたら、皇居とのハーモニーが想像されて楽しくなる。
加えて彼は、1903年に記した地図で驚くほど現在の首都圏の路線図に酷似した計画線を描いている。さらには、パス・スルー方式の東京駅を構想したのも彼である。
また、東京駅を落札したのが、大阪の新興の総合建築会社大林組だというのも新発見である。あの、スカイツリーを施工した大林組が東京駅も施工したということになる。
世界でも類をみない、鉄道を中心に発展した東京。
ここに、今の日本の発展の基礎をみる。
多くの偉大な先人たちのおかげで今の東京が、そして日本ができたのだとつくづく感じた。
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