「ヒトの進化700万年史」河合信和著 ちくま新書 ― 2011/03/13 13:39
表題の通り最新の人類史に関する研究成果を盛り込んでいる。
人類の祖先というと、一般にせいぜいネアンデルタール人や北京原人ジャワ原人などといった断片的な知識しか持ち合わせていない。
ところが本書を読むと、実に多種多様な人類が共存していた時代が長かったことに驚きとともに、どこかファンタジーの世界が想起されて、まるでわれわれの目の前に、新たな光を当ててくれる。
特に、初期人類ラミダスの全身骨格、初期人類の幼体セラムの発見、完全なホモエレクトスであるトゥルカナボーイの完全な全身骨格の発見、そして出アフリカの物語。最後のネアンデルタール人がいたジブラルタルの洞窟。ネアンデルタール人とホモサピエンスの交雑の可能性。そしてなにより、ホビット族のように小さなホモ・フロレシエンシスの大発見。シベリアの指の骨のDNAから抽出された新たな種類の人類。などなどわくわくさせるような話が後から後から出てくる。
加えて、このような夢のような世界を切り開いてくれた研究者の中に日本人研究者諏訪元氏がかかわっているという事実に少しばかりうれしくなった。
最新の人類の進化の研究に触れることのできる好著である。
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