「官僚たちのアベノミクス」軽部謙介著 岩波新書 ― 2018/05/01 11:53
★★☆☆☆
本書は、第二次安倍政権が誕生する際のいわゆるアベノミクスと呼ばれる経済政策が練られていく過程を、関係者の取材を元に克明に追っていったものである。
特に、政権復帰前に練られた本田、浜田、高橋洋一らブレーンによる金融政策の形成過程が興味深い。
また、当時の日銀総裁の白川の抵抗と挫折に至るまでの交渉経過も実に丁寧に記録されている。
金融政策にここまで立ち入って政策形成をすすめたことが今の景気回復につながっているという見方もできるが、一方で日銀の独立性もなし崩しになってしまうことも考えるとどこか危うさも感じる。
本書はアベノミクスの成立過程を客観的に記録したもので、その功罪については論評は避けているものの、ここ最近の官僚の相次ぐ不祥事を見ていると、その負の側面が多く見られるようになりつつあるという印象を持った。
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