「波乱の時代」アラン・グリーンスパン著(日本経済新聞社)2008/02/10 10:08

元FRB議長であったグリーンスパンの自叙伝と世界経済の展望を記した書物である。

前半は、バンド奏者から大統領顧問になるまでの成功物語で、よくあるアメリカンドリームのひとつにすぎない。

後半になり、一流の経済運営をしてきたグリーンスパンらしさが感じられる。「グローバリゼーションと規制」、「教育と所得格差」、「高齢化する世界ーだが支えられるのか」、「コーポレート・ガバナンス」、「長期的なエネルギーの逼迫」などなど、現代の世界(そして日本も)が抱える多くの問題に、著者なりの考え方を提示している。最後の「未来を占う」では、多くの問題はあるにせよアメリカの経済は2030年には、現在よりも4分の3大きくなっていると予測している。というより、将来は明るいと予測することこそが、人類が逆境に耐えて進歩してきた背景にあるとしている。
 残念ながら本書では、日本に触れられている部分は少ないが、われわれも明るい未来を思い描けるような構想力を持ちたい。

アドエスの修理2008/02/10 11:31

 アドエスの無線LANの接続ができなくなった。無線LANに切り替えてもMACアドレスの表示がされず、無線LANのランプもつかなくなった。
 リセットやフルリセット、初期化までしたがまったくだめ。

 仕方がないので、本体付属のバックアップソフト(Sprite Backup)を使って、SDカードにバックアップして修理に出した。

 この間今まで使っていた、W-ZERO3にSIMを差し替えてSDカードも差し替えた。ここで問題発生。
 なぜか、アドエスで作成していたファイル(ワードやエクセルなどの)がよめない。いずれのファイルも、「.menc」という名前のファイル拡張子がついて、アイコンが鍵のマークに変わってしまっている。
 あわてて、修理に出した代理店に出かけてアドエスを持ち帰り、アドエスからパソコンに移し替えた。

 10日ほどして、修理完了したとの連絡。
 早速起動したが、当然無線LANは使えるようになった。が、ここからが問題。Sprite Backupでバックアップしていたファイルが復旧できない。あわせて、ワードやエクセルファイルも「.menc」ファイルのままで、読むことができない。シャープのサポートセンターに電話したところ、基盤自体を取り替えてしまったので別機種として認識されているため、もう読めないとのこと。それならば、基盤取替えのときに連絡するのが当然ではないかと文句を言ったものの後の祭り。

 幸いなことに、アドエスを修理前に本体初期化を行ったので、このときにパソコンにとっておいた ファイルがあったので何とか復旧することができた。
 それにしても、Willcomやシャープは不親切だ。最近の機械の修理は、外箱だけそのままで内側をそっくり取り替えていると聞いていたものの、こういう場合は連絡すべきだと思う。

アドエスの不具合(その2)2008/02/10 15:04

 私は以前から、携帯電話は紛失したときのリスク回避のために、パスワードロックをかけてきた。
 当然ながら、アドエスにもこの機能があり、普通にロックをかけている。

 ただここのところ、いちいちパスワードを入れるのが面倒なので、パスワードを要求するまでの時間を2時間と長めにしてみた。
 ところが、先日朝いつものようにパスワードを入れて起動しようとしたところ、「パスワードが違います」とのメッセージが。
 間違った番号を入れたものと思ったが、何度やっても同じ。
 愕然とした。 
 せっかく入れたデータはまた復旧不可能なのか。

 パスワードが初期化されたものとも思い、単純な番号を入れたがだめ。4桁なので順番に入れることも考えたが、リセットしてみることにした。

 これで復旧した。

 それにしても、アドエスはまだ完成していないと思わざるを得ない。

「小さな政府の落とし穴」井掘利宏著(日本経済新聞出版社)2008/02/24 13:54

消えた年金記録問題が世間を騒がせて、そろそろ半年になる。政府は、3月までにはめどをつけるとしているが誰が見ても難しいのは明らかである。

本書は表題のとおり、「小さな政府」論者への問題提起をしつつ、著者の考える効率的な政府のあり方を提示している。

確かに、ここのところ先進国中最悪の財政状態にあるにもかかわらず、歳出削減を続ければ増税などしなくてもなんとかなるような論調になりつつある。しかし著者は、わが国は歳出規模では大きな政府にもかかわらず、税負担では小さな政府であり将来世代に負担を先送りしているとし、受益と負担のリンクを明確にする必要があるとしている。このため、大きな政府の代表である北欧諸国の現状分析や、社会保障制度の改革、効率的な政府のあり方、政府財政の望ましい大きさについての議論を展開している。
 とくに、年金についての著者の提案は具体的で、わかりやすい。年金については、どこまでを年金でまかなう必要があるのか再定義をした上で、賦課方式から個人勘定方式への移行を提言している。
 また、最近の格差論については、地域間格差にバイアスがかかっており、むしろ重要なのは世代間格差の是正であるとしている。

「消えた年金」問題よりも、「消える年金」のほうがはるかに大きく重要な問題である。
 将来の子供たちへのツケ回しはもうやめよう。