「時間はどこで生まれるのか」橋本淳一郎著(集英社新書)2007/12/24 15:23

とても不思議な読後感をもたらしてくれる本である。

本書は物理学の解説を通じて、時間という概念が量子論で表されるミクロの世界ではまったく成り立たなくなることを立証している。
 それどころか、われわれが常識的感覚で持っているエントロピー増大の法則でさえ、逆転してもおかしくないとしている。
 ただし、生命体は秩序から無秩序への流れに逆らう営みであって、無秩序から秩序への流れの世界からは何も生まれることはないという。

われわれが、当然のように考えていた「時間」とは、人間が作り出した、「色」や「温度」と同じような感覚であるという本書は、私にとっては実に新しいものの見方であり、新たな世界が開けたような気がした。

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