「チョコレートの帝国」ジョエル・G・ブレナー著 みすず書房2012/07/23 21:22

アメリカのチョコレートの2大企業であるハーシーとマーズのそれぞれの歴史をその創世記からたどった大作である。

本書は、チョコレートの歴史にも触れ、アメリカンドリームを地でいくミルトン・ハーシーとフォレスト・マーズという対称的な二人の成功物語がまるで小説のように描かれぐいぐいひきこまれる。

ハーシーは、独自製法によるミルクチョコレートの成功をもとにチョコレート工場とともに街づくりや学校建設、孤児院までもつくり、戦前のアメリカを代表するような企業として、成功する。
一方、マーズはハーシーをライバルとして巧妙なマーケティングと徹底した利益至上主義で、当初はハーシーから機械を借りたり原料の仕入れをしていたが、ついに1960年代に全米1の売上高を奪取する。ちなみに、その代表的な商品m&mは、マーズのmとハーシーから引き抜いたムリー(当時のハーシー社長の二男)のmからとったものというからおもしろい。
(この話は、マーズジャパンのホームページにも出てくる)

本書には、実にいろいろなエピソードがちりばめられているが、両社のマーケティング戦略の対比や、おっとりしたハーシーと攻撃的で秘密主義のマーズという企業文化の違いも浮彫りにするなど、企業経営のありかたも読者に考えさせるなど、経営学的な見方もでき、読者に多くの考える機会を与えてくれる本に仕上がっている。

そして、あの映画のシーンも想起されて、興味深く読めた。
ハーシーとマーズ一体どちらがモデルなのだろう?

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