「パブリック」ジェフ・ジャービス著 NHK出版2012/01/08 15:03

フェイスブックに代表される実名での交流サイトが力を持ちつつある。実際に、アラブの春とも呼ばれる現象もこれらのツールが大きな力となったという。
 また、一方でウィキリークスのような、政府の機密情報が次々と暴露されていくツールには米国をはじめ多くの政府が危惧の念を抱き、実際に敵対的な行動に出たのは記憶に新しい。
世界におけるこれらの動きは、本書がテーマとする「パブリック」という概念を、改めて浮き彫りにする。
 本書は、ネット社会における「パブリック」と「プライベート」について、グーテンベルクの印刷機の発明になぞらえて多角的に分析し検討し読者に考えさせる。

そして、われわれに対しても政府に対しても「守るべき情報とは一体何か」と訴えかけ、原則は公開とすればそこから得られるものはとてつもなく大きいと我々を手招きする。
著者のいう「プライバシーの原則」は大いに参考になるのでぜひ本書を紐解いてほしい。

もうひとつ、マスとパブリックの比較も興味深い。
この点についての著者の意見も明快である。
本書におけるマスコミへの著者の議論には賛同したい。

そして、本書で提示される「スーパー・パブリック・カンパニー」こそ、これからの企業のあり方であるのは間違いがない。
そして、政府も全く同じである。

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