「ジョブ理論」クレイトン・M・クリステンセン著 ハーバーコリンズ2018/04/14 14:57

★★☆☆☆

イノベーションのジレンマで有名なクリステンセンの著作。 予測可能なイノベーションの作り方を書いているという触れ込みで思わず手に取ってしまう。
その内容は、いわばマーケットインの考え方に近い。
ただ、より一層顧客の側に立った課題解決につながる商品作りを提言している。
これを著者は、ジョブ理論と名付ける。
ジョブ理論が重点を置くのは、誰がでも何をでもなく、なぜ、であるという。

たとえば、ミルクシェイク。実際の顧客のニーズは、朝食と昼食の間の空腹を満たすために買われていることが多い。そこには人口統計的な要素はない。
また、日本の自動車メーカーによる不良品の低減のための取り組み。
サザンニューハンプシャー大学のオンラインプログラムの取り組み。
顧客の苦労を取り除くことに特化した会計ソフトクイックブックス。
新しい家を建てて売るビジネスから顧客の人生を移動させるビジネスとして再定義し、引越サービスのほか、引越後に選別ができるような部屋を設け新築住宅の売り上げを伸ばしたボブモエスタ社。
自社製品の強みを、いつもぐっすり眠れることに設定したらどうかとのインタビュー結果。
人口統計学的な特定の層への販売を重視せず、すぐに自分の部屋の家具を整えてしまいたい顧客の課題に適応したイケア。

このほかにもいくつもの事例が挙げられている。
今までのマーケティングの概念を覆すような考え方であり、理論である。
最後に著者はドラッカーの言葉を紹介する。
「企業が売れると思ったものを顧客が購入することはめったにない。」

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